小さな積み重ねが大きな影響を生み出す。
日本は各地で連日35度〜40度近くの日々です。
冷房が欠かせません。
気温が1度違うだけで、私たちの体感温度は変わります。
20年前、クールビズという言葉が登場し、
暑い夏はスーツを脱いでネクタイをしていなくてもいいよねという風潮と共に、
お部屋の冷房の温度は26~28度設定にしましょうという呼びかけが政府からありました。
これは地球温暖化への対策で発せられました。
しかしたった20年で、人々は「涼しい=安心/快適」という
幻想を過剰に求めるようになってしまいました。
それによって体調を崩している人がなんと多いことでしょう。
本来冬に起きる、ヒートショック症状で病院へ受診する人までいるようです。
日本は地震が多いだけでなく、大雨や台風による水害(土砂崩れなども)、
干ばつによる農作物の不作がこれまでも多くありました。
しかし、世界中の異常気象や火災によって、
地球そのものが益々瀕していること感じずにはいられません。
気温が1度違うだけで、私たちの体感温度は変わるだけでなく、
地球の負担は変わるのです。
自分がその瞬間に、涼しい方が快適だからといって
クーラーを1度2度下げることが、
地球にとってどれだけ負担になっているかを
考えたことがあるでしょうか?
昨年の夏、アメリカに行った時に、
驚きと共に非常に残念に思ったことの一つは、
ものすごく大きい家々が一つ残らず、
5月下旬の外が涼しい時期からノンストップで
全室管理(個々の部屋で調整できないシステム)で
冷房をガンガンにかけていたことでした。
「地球のことをどう考えているのかな?
身体の機能が弱ってしまうことをどれだけ知っているのかな?」
と、どのお宅に行かせていただいても、
興味深く思いました。
湿気大国日本において、カビ対策の重要性はよく理解しています。
日本人は潔癖で食べ物関連にプラスティックを多く使っており、
それも深刻な環境破壊です。
でも、目先のことしか考えず
「自分が今暑いから部屋の温度を下げる」という行為が、
この先、地球に住む人たちが太刀打ちできないくらい
地球の温度を上げるという行為であるということを、理解してほしいのです。
暑さを我慢しろということではなく、
自然体に電化製品を最低限に使って生きようということでもなく、
そんなに部屋を冷やすことが、本当にいいと思ってるの?という問いを、
互いにしてほしいのです。
6月7月、イタリアに行った時も40度近くの日々でしたが、
カフェに行ってもレストランでもお店や工房でも冷房がガンガンに効いているという場所は非常に少なかったです。
そもそも、建物が古くエアコンの設置が難しい場所もあるのかもしれないですが、
イタリアで出会った人々にエアコン事情を聞いたところ、
「夏は暑いんだから無理に寒くする方が変」
「イタリア人は冷房ガンガンが好きじゃない」
「欧州はここまで暑くならないから、暑さ対策に弱いままなだけ」
色々な意見を聞きましたが、別の欧州に住む友人たちと話したところ、
日本やアメリカより遥かにecoについて普段から話されているとのことでした。
日本は湿気が多いので、
プラスチックを多用したり個包装を徹底したりするのも仕方のないことと思われる傾向が強いですが、「これプラスチックの必要ある?サランラップする必要ある?」と振り返りましょう。
環境リテラシーを考えるとき、
「自分だけがやっても意味がない」と思うものです。
アメリカの家に比べれば犬小屋規模の我が家が、
冷房のスイッチを切ったり、1度下げることをしなくても、
何も変わらないと思うかもしれません。でも「全ては意図」。
大切だと思うことを大切にしていくことの大切さを実践し
呼びかけていきたいと思います。