私たちは誰しも「不確かな夜」を経験する。
でも聖書には、神は私たちの日々の必要を、
朝になる前に、夜のうちに備えると書いてある。
特に創世記、この世界が造られるはじめは1日ごとに「夕があり、朝があった」と。
たとえとても暗くて何も見えなくても、人生には美しいことがすでに備えられている。
ただ正直に言うと、頭ではわかっていても私はこれを信じることができなかった。
私の信仰はからし種よりも小さいことをわかっている。けれども神様は
「いいよ。もしおまえがからし種の大きさで、
少しでも私を信頼するなら、全てをおまえのために成すよ」と言う。
もし私たちが神の愛と喜びにとどまるなら、私たちは宗教的な行いに一切生きなくていい。
あるいは、成功や自由の法則を作り出したり追い続けなくていい。
だから、福音は宗教ではなく、私たちが自分らしく生きる唯一の道と言われている。
私はこの夏、(この数年も含めて)このことを頭ではなく、
前より少し心で、理解することができたように思う。
神様は、私の「不確かな夜」に、すでに用意してくれていた。
行くべきベストな場所と出会うべきベストな人に導いてくれた。
後述するロジャーという、この夏のレジデンスをオーガナイズしてくれた宣教師の友人が最初に私にこの件を提案してくれた時にこう言った。
「オーシャンスプリングスという街も、パートリッジも、さとみとすごく似合うよ。
なんでかわからないけど、あの街に行った時、さとみを思い出したんだ。
きっとあの街が大好きになるだろうし、みんなもさとみを大好きになるよ」と。
あの美しい街やあの家族と「きっと似合う」と言ってもらえたことは、
今思うとどれほど光栄なことだろう。
さて、ロジャーは誰かということなのだけど、
彼は18年前から奥さんのAbiと4人の息子と日本で宣教活動をしているアメリカ人だ。
彼は、NYのジュリアード音大を卒業しているオルガニストであり、
物理学の修士号も持っている人であり、本を何冊も出版しており、
ポッドキャストもやっており、、、そしてコミュニティアーツ東京というアーティストを
応援するための団体のディレクターでもあり、、、常に色々やっている。
昨年の秋に彼が私にミシシッピでの滞在制作を提案した時、
私の直感はすぐに「これだ!行かなきゃ。」と思った。
けれども私のマインドは「えー、アメリカ?ミシシッピ?微妙〜。多分NOだな」だった。
しかしファインアートの分野で滞在制作に参加することができる人は本当に一握りの世界。
とても競争倍率が高い。(実際、現地でも日本でも何人のアーティストに「いいな〜」と言われたかわからない。)
そして、教える側から「うちに来ていいよ?」とオファーが来るなんて絶対にありえない世界。
どっからどう見ても私のためだけに開かれて用意されたギフトだとわかった。
ただ同時に、私が行くと決めたらその時から資金調達を
しなければいけないということが明白だったので躊躇した。
国内からの寄付だけじゃ賄いきれないことも明白だった。
けれど私はロジャーのアドバイスではないアドバイスを受け、
行くことを決め、拙い英語で資料を作りメールを送りまくり、ミーティングをしまくった。
結果、飛行機のチケットを買った後、出発の1週間くらい前に全額が、
そして出発後には全額以上が満たされた。
ご献金してくださった方々に改めて心から感謝する。
たとえ100円でも、思いを持って捧げてくださることに
大きな励ましがあることを本当に身に沁みて経験した。
宣教団体にいた時から献金について文献を読んだり、
NYやロンドンの人たちとその概念について話を聞いたり、
献金を募る活動を5年以上してきたけれど、
実際に個人で、一緒に祈り信仰を共にしてきた日本人の友人の多くは、
献金しない、というのも興味深い結果だと思った。(だからと言って残念には思っていない。)
RogerとAbiは私を継続して励まし続けてくれた。最初から最後まで。
「みんなさとみのことを大好きになるよ」
「さとみがもっと自分の素晴らしさに気づけるように祈るね」
「みんなすごくさとみのことを愛してることを忘れないでね」
「どこに行っても人気者になるよ」
一貫してこのように私のことを応援し、愛し、支えてくれた彼らの存在を心から感謝している。
改めて思う。
あなたを裏切り、見捨てる人はいる。でもあなたを救い、愛する人もいる。
私は前者をゆるしそこから去り、後者を愛し大切にする生き方を選ぶ。