今日は私の友人がくれた最高なアドバイスついて、書きたいと思います。
とてもユニークで素敵な彼のことは、別の記事で紹介します。
彼は、私の来たる2024年の夏が特別なものになるきっかけを作った人です。
このストーリーを逆算して記していきたいと思う。
この夏、私は日本を出てある国に滞在することが決まった。
そこは、正直全然興味もないし、ゆかりもないし、行きたかった国でもないーーー。
昨年の夏に、2024年は*滞在制作がしたくて来る日も来る日もネットで情報を探し、
可能な限り申請書を書いて出していた。
オランダ、デンマーク、フィンランド、イギリス、スウェーデンなど。
散々探し、申請を書いたけれど、全滅だった。
(*滞在制作=ジャンルを問わずアーティストたちが
長期で環境を変えて制作に集中すること。
助成金がある場合や、実費でプログラムに参加する場合など、
受け入れ先によってその内容や期間や形態は変わる。)
そんな中、友人であるRogerと言う音楽宣教師が
「さとみ。〜〜に半年間、インターンシップに行かない?
もちろん滞在制作もできるよ。
現地の素晴らしい画家と話をつけてきたから」と連絡をくれた。
「へ?」驚いた。
何に驚いたかって、彼のような超多忙な超マイワールドなthe芸術家が
私を気にかけてくれている、しかも既に行動してくれている、と言うことが。
その情深さと思いやりに、理解が追いつかなかった。
一方でその瞬間に、
「わ!この船乗らない理由がない。乗らなきゃ」と思った。
行きたい国でもないし、興味のある土地でもない。
けれどもそこは、アーティストが多く、アートが盛んで、
ホワイトビーチが広がる美しいリゾート地でもあり、
成熟したクリスチャンのコミュニティもあるという。
そして、画家として活躍する素晴らしい人が私のメンターとして待っている、と。
一昨年、昨年が特にハードで疲れ切った私にとっては、
この上ないほどぴったりの場所だと思った。
そして、私以上にRogerがそれを理解していた。
Rogerは私が絵本を出した時も熱心に英語の編集や出版について助けてくれ、
個展を開いた時は、何時間もかけて作品を見て、たくさん質問をしてくれた。
そして彼がいつも私に言うことはこれだった。
「さとみのアートは素晴らしいよ。もっと描いてほしい。もっと作ろうよ。
その素敵な世界観をもっと世界に伝えよう。文章も絵も描けるなんてすごいよ。
僕に何かできることはある?」
また、私が秘書として、そして後に共同設立者として働いていた元相棒には、
「さとみは事務も得意だろうし器用だから何でも出来ると思う。
でも、彼女の本質は芸術家だから、制作の時間を必ず作れるようサポートして欲しい。
彼女の才能が生かされなければもったいない」
と言ってくれていらしい。
私は、彼が数年前にこんなふうに言ってくれていたことを、
つい最近まで全然知らなかった。(彼本人から、この話を聞いてない。むしろもう忘れてそう笑)
思いやりって、こう言うことだと深く思う。。。
繰り返すけれど、Rogerから話が来た時、直感はすぐに行こうと思った。
けれども、やっぱり行きたい国でもないし、円安すぎるし、
現地は物価がすんごく高いし、不便だし、種類の多いビザを調べていたら、
取得までがめんどくさ過ぎて、資金調達も自力でするわけで、
「行く」「行かない」の答えが出せずにモヤモヤしていた。
そしてRogerに相談した。
「ねえねえ。私、実は行くの迷ってるの。
その国好きじゃないし。どっちがいいと思う?」
きっと彼なら「いい機会だから行きなよ!」と言ってくれるような気がしていた。
すると彼は、一番彼らしい返事をした。
それは、私がもっとも求めていた最高のアドバイスだった。
「どっちがいいか、僕はさとみじゃないから決められないよ。
決める権利は何もない。さとみの人生は僕のものじゃないから」
彼はまっすぐに続けた。
「さとみの人生だから、僕は行ったらいいと思うよ、とも
行かないで日本で過ごしたらいいと思うよ、とも
どちらとも言えない。
個人的には、数ヶ月でさえ日本にいてほしい。
東京以外の別の遠いどこかに行って、誰かと現地で結婚したら
貴重なアーティストの友人を遠くに失うことになっちゃうから。笑
でも一番大事なことは、ただアーティストとしてどこにいても
作品を作り出し続けて生きてほしい。
それが根底にあればどんな選択も正解だよ」
この言葉が決め手となり、一切の迷いが消えた。
田舎だろうが、車ないと生活できなかろうが、英語が訛っていようが笑、
経済的に難しかろうが、全部どうにかなるだろう。
こんなに私を大切に思ってくれる友人が用意してくれた寛大な提案を
小さな自分の小さな視野から見えるつまらない理由で逃したら、
アホすぎて後々悔やむだろう、と思った。
そしてこの数ヶ月後をイメージした時、感謝する心に満たされている自分、
神様を畏れて賛美する自分が容易に想像できた。
だったら、不安/不満要素を探して、機会を避けるのではなく、賭けないと。
行動してこそ、神が共にいるという実感と生きた信仰が養われるんだ、と。
私が心を決めた1.5ヶ月後に、私が滞在するための家が見つかったとつい先週、連絡が入った。
そして当初の予定より短い滞在に決まった。
彼の言ってくれた本質的なアドバイスは、
すべてのアートとアーティストに対する、彼の敬意と情熱のあらわれだと理解した。
素晴らしいオルガニストであるRogerが教会の説教で語ったことの中に印象的な言葉がある。
「僕にとって、音楽は大事な言語表現です。
僕という人間を人に伝え、ここに生きていることをあらわすために、
紛れもなく大切で必要なものです。」
「アーティスト」や「芸術」と言ってしまうと、
すごく特別感が出てしまうかもしれない。
けれど、当の本人たちにとってそれはとても自然なことや心地よいことであり、
同時にもっとも自分らしく存在を表明できる、在り方の一つなのだと思う。
それは時にまるで、
大好きな友人とリラックスしながらおしゃべりをしているような感覚や
心踊る感動を共有している瞬間に得る感情、
好きな相手と食い違っている時のもどかしさ、
あるいは悲しみや苦しみを嘆き叫んでいるのと似ている状態と言ってもいい。
そう、まさに「等身大の自分らしさ100%」。(by前回のブログ)
だからRogerは、さとみは絵を描くことで自分を大切にし続けて欲しいと
言ってくれているのだとわかる。
東京や日本では絶対に経験しないであろう、めっちゃくちゃ田舎の土地に滞在する。
きっとこの夏を通してまた違った角度で人生を、自分を、人を、そして神を見る目が
新たに開かれ、神様と共に私が私をもっと叶えていく、
そんなステップを踏んでいくのだと感謝と共に確信している。
つづくー