故人を想う

今日は新月。2月4日(本当の新年)の立春すぎて初の新月。
ぅおおおー!ってキテル感覚のある方も多いかもしれないし
あるいは心や体調が乱れてる方も多いかもしれない。

お元気ですか?(急に聞くな)
そんな昨夜、彼女にすごく励まされた気がしたので
今日はそれを分かち合いたいと思います。

その方と出会ったのは、10年以上前になります。

出立ちは華やかで、大御所のような雰囲気もある方なのに、
とても謙虚で控えめな女性でした。

あるセミナーの後、
「いつもありがとうございます」と言うと、彼女は本当に恥ずかしそうに
「やだ私、顔を覚えられちゃったのかしら」とうつむいて笑っていました。

その姿を見て、見た目の華やかさと違い、
チャーミングで親しみやすい人柄を感じたあの表情と情景を
昨日のことのように思い出します。

彼女は私の一回り以上年上でしたが、
私のことを尊敬する/ファンだと言い、
本当によくしてくださいました。
華道家の師範でもある、彼女の美的感覚や
誰に何が似合うかなどのセンスもピカイチで、
人を見る目のある、まさに心の純粋な、美しい方でした。
誰もが彼女を好きになるような、親しみのある方。。。
そして何かとても、表現しにくいのだけど、視える人で、、
現に私自身や私に関する色々を感じて?いたこともあり。
「○○さんは、あなたに下心があるけど、あなたは本当に
気づいていないから気をつけた方がいい」などのアドバイスもあり、
それが後日、本当に役に立ったり、、、。

私は彼女のことが大好きで大好きで、
私に何かがあったらチャットでも
電話でも彼女に相談したり報告したりぼやいたりしていました。
その度に、「あなたは最強運持ってるから、何やってもいいのよ。
どこ行ってもみんなにモテモテだから、大丈夫よ。」
いつもそんなふうに励ましてくれました。

そろそろ連絡したいと思っていた矢先、
彼女とはもう会えないことがわかりました。

千代田線の車内でその報せを見た時、涙がとまらず、
オフィスに着いた後も、帰宅後も。。

突然の報せだったこともあり、
その後、1週間は深い悲しみがありました。

しかし一方で、同時に強く思っていたことは、
敏感で感受性が極まりなく豊かな彼女にとって
この世界で生きることは本当に大変だったんじゃないかな、と。
そう思うと今ゆっくり幸せに休めていることを
安心するような気がしました。
(これが他の人だったらそんなふうに
思えなかったかもしれないけれど)

それも、彼女が「私は今幸せだから、安心して」
と、私に言ってくれているような感覚があったというか。。。

ふと、LINEを昨日見返していた時、彼女とのやり取りが目に入り、
それを見ていたら彼女が私にこう言ってくれているような気がして、
涙がたくさん出ました。
「もっと絵を描きなさいよ。
私、もっとあなたの作品見たかったんだから」って。
華道家として、素晴らしい感性を表現しきれなかったことを、
私は彼女との会話から知っています。
だからこそ、彼女は
「どんどんやりなさい。上手い下手じゃないのよ、
あなたの感性を好きって言ってくれる人は必ず現れるから。
その人たちを大切にすればいいだけ。
絶対連鎖は起きるから。起こすのよ。
無限の芸術を、有限に引き下げちゃダメ。」

自分に対する戒めも込めて、当時立ち止まる私と自分を重ねながら
励ましてくれていたのでしょう。

生きてるうちに出来ること、それは本当に限られています。
それは「自分が」という主語だけでなく、
「自分の大切な人が」ということかもしれません。
「私も、私の大切な人も、お互いが生きてるうちにできること」
それは、本当はそんなにたくさんする必要はなくて
あるいは、大それたことなんかでもなくて
シンプルに、自分が大切にしていることや楽しみたいことを
その人と共に響かせ合うことができれば、
それが最高に幸せな瞬間なのだと思います。

その瞬間がたくさん重なり合い続いていく時、
きっと私たちは、「今」に没頭できるのでしょう。
人生の無駄な心配や後悔、不毛な努力は不要になり、
この今を味わって楽しまなくちゃ、って実感するのでしょう。

年齢を重ねれば、周囲の死とも出逢います。
それを受け入れる時、そして同時に故人を想う時、
彼らは今喜んでいて、自由なのだと思いたいです。
自分の悲しみに打ちひしがれるのは、エゴだってわかってるから。
(でも寂しいんだけどねーーー)

だからこそ、みんなに福音を知ってもらい、
そして天国で再会したいと望むのです。

「あのね、一個言わせてほしい。
描いてるんだけど、時間かかるの。だから待っててね」